例題 1.1 | OpenStax College Physics 2e

Example 1.1 Unit Conversions: A Short Drive Home
例題 1.1 自宅までの短いドライブ:単位変換

学校から自宅までの10.0 kmを20.0分で運転したとする。
平均速度を求めよ。
(a) km/h(キロメートル毎時)
(b) m/s(メートル毎秒)

(注:平均速度は移動距離を移動時間で割ったものと定義される。)

方略

まず与えられた単位で平均速度を計算する。
次に、求めたい単位に変換するために正しい換算係数を選び、それを掛ける。
正しい換算係数とは、不要な単位を打ち消し、目的の単位を残すものである。

(a) の解答

(1) 平均速度を計算する。
平均速度は、移動距離を移動時間で割ったものである。
(この定義は今はそのまま受け入れておく。平均速度や他の運動概念は後の章で扱う。)

\( \text{平均速度} = \frac{\text{距離}}{\text{時間}} \)

(2) 与えられた値を代入する。

\( \text{平均速度} = \frac{10.0\ \text{km}}{20.0\ \text{min}} = 0.500\ \text{km/min} \)

(3) km/min を km/h に変換する。
分を打ち消して時間を残す換算係数である \( 60\ \text{min/hr} \) を掛ける。

\( 0.500\ \text{km/min} \times \frac{60\ \text{min}}{1\ \text{hr}} = 30.0\ \text{km/hr} \)

(a) の考察

(1) 単位変換で単位を正しく消去できているか確認する。
もし換算係数を逆に書いてしまうと、単位が正しく消えず、誤った単位が残る。

\( \text{km/min} \times \frac{1\ \text{hr}}{60\ \text{min}} = \frac{1}{60}\ \text{km} \cdot \frac{\text{hr}}{\text{min}^2} \)

これは明らかに望ましい単位(km/h)ではない。

(2) 最終的な単位が求められた単位(km/h)であることを確認する。
実際にその単位が得られている。

(3) 有効数字を確認する。
問題で与えられた値はいずれも3桁の有効数字を持つため、答えも3桁で示すのが適切である。
30.0 km/h は3桁の有効数字を持ち、妥当である。
なお、1時間=60分という定義に基づく換算係数は正確であるため、有効数字の扱いには影響しない。

(4) 答えが妥当かを確認する。
10 kmを20分(つまり1/3時間)で進むなら、1時間でその3倍の距離(30 km)を進むことになる。
したがって30 km/hという答えは合理的である。

(b) の解答

平均速度をメートル毎秒に変換する方法はいくつかある。
(1) (a)で得た答え(30.0 km/h)を用い、km/hをm/sに変換する。
このとき、時間を秒に、距離をメートルに変換する2つの換算係数が必要である。

(2) それぞれを掛けると次のようになる。

\( \text{平均速度} = 30.0\ \frac{\text{km}}{\text{h}} \times \frac{1\ \text{h}}{3600\ \text{s}} \times \frac{1000\ \text{m}}{1\ \text{km}} \) \( \text{平均速度} = 8.33\ \text{m/s} \)

(b) の考察

もし 0.500 km/min から直接変換を始めたとしても、異なる換算係数を使うだけで、結果は同じ 8.33 m/s になる。

なお、ここでの答えが3桁で示されているのは、与えられた値がいずれも3桁の有効数字を持つためである。
計算結果の桁数にどの程度注意を払うべきか、またなぜ電卓が表示するすべての数字を書かないのかについては、後の章「精度・正確さ・有効数字」で詳しく扱う。

出典

本コンテンツは以下のページを改変(日本語訳)して利用しています。誤訳はコメントでお知らせください。

1.2 Physical Quantities and Units – College Physics 2e | OpenStax
©Rice University, OpenStax(Licensed under CC BY 4.0)

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