例題 1.4 | OpenStax College Physics 2e

Example 1.4 Approximating Vast Numbers: a Trillion Dollars
例題 1.4 莫大な数を概算する:1兆ドル

2021年の米国連邦政府債務はおよそ 28 兆ドルであった。私たちの多くは「1兆」という数が実際にどれほど大きいかの概念を持っていない。ここで例えば、あなたが100ドル札でもって1兆ドルを渡されたとしよう。100枚ずつに束ね、その束をアメリカンフットボールのフィールド(エンドゾーンの間)に均等に並べたとき、札の山はどれほどの高さになるだろうか(フィールドの寸法がヤード単位で測られているため、ここではフィート/インチを用いる)。友人の一人は「3インチくらい」と言い、別の友人は「10フィート」と言う。あなたはどう思うか?

方策

この状況を想像すると、映画や銀行で見るような100枚入りの100ドル札の束が多数並んでいる様子を思い浮かべるだろう。こうした量は近似しやすいので、まずそこから始める。100枚札の束1つの体積を求め、それが1兆ドルを構成する束の数とどう関係するかを調べ、その体積を「フィールドの面積 × 高さ」という形に等しくおく。

解答

(1) 100枚札の束1つの体積を求める。1枚の札の大きさはおおよそ 3 in.×6 in. で、100枚重ねると厚さがおおよそ 0.5 in. である。したがって、束1つの体積は

\(\text{体積} = 6\ \text{in.} \times 3\ \text{in.} \times 0.5\ \text{in.} = 9\ \text{in.}^3\)

(2) 束の数を計算する。1兆ドルは

\($1\times10^{12}\)

に等しく、100ドル札100枚の束(=1万ドル)は

\($1\times10^{4}\)

に相当する。したがって、束の数は

\(\frac{$1\times10^{12}}{$1\times10^{4}} = 1\times10^{8}\ \text{束}\)

である。

(3) フィールドの面積を平方インチで求める。フィールドの大きさは 100 yd × 50 yd = 5 000 yd²。インチ単位に変換すると

\(\text{面積} = 5,000\ \text{yd}^2 \times \frac{3\ \text{ft}}{1\ text{yd}} \times \frac{3\ \text{ft}}{1\ \text{yd}} \times \frac{12\ \text{in.}}{1\ \text{ft}} \times \frac{12\ \text{in.}}{1\ \text{ft}} \approx 6.48 \times10^{6}\ \text{in.}^2 \approx 6\times10^{6}\ \text{in.}^2\)

(4) 札全体の体積を求める。

\(9\ \text{in.}^3/\text{束} \times 1\times10^{8}\ \text{束} = 9\times10^{8}\ \text{in.}^3\)

(5) 高さを求める。体積を面積で割ると高さが得られる:

\(\text{高さ} = \frac{9\times10^{8}\ \text{in.}^3}{6\times10^{6}\ \text{in.}^2} \approx 1.33\times10^{2}\ \text{in.} \approx 100\ \text{in.}\)

インチをフィートに換算すると

\(100\ \text{in.} \times \frac{1\ \text{ft}}{12\ \text{in.}} \approx 8.33\ \text{ft} \approx 8\ \text{ft}\)

解説

最終的な概算値は初期の「3インチ」という予想よりはるかに高いが、「10フィート(120インチ)」というもう一方の予想にはおおよそ近い。あなたの最初の予想と比べてどうであったか?この演習は、大まかな「当て推量」と慎重に行う数値近似の違いについて何を教えてくれるか?

出典

本コンテンツは以下のページを改変(日本語訳)して利用しています。誤訳はコメントでお知らせください。

1.4 Approximation – College Physics 2e | OpenStax
©Rice University, OpenStax(Licensed under CC BY 4.0)

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